おたくのひとりごと

舞台俳優、ワンピが好きなバンギャのゆるいブログです。

ストリップ海峡が中止になった話

こんばんは、9です。

ここずっと宣伝させて頂いてたストリップ海峡(スト海)が中止との発表がありました。今日はその話です。

職場の昼休み、トイレに駆け込み涙を流しました。
ひたすらに悲しくて悔しくてショックで、Twitterでも動揺してしまいました。すみません。

この作品、前作のストリップ学園は私の中でオタク人生の転機と言っても過言ではない作品だった。

que-9.hatenablog.com

正直言って、私はあからさまな下ネタが得意ではない。だからこの公演の情報が出た時、正直ビビっていた。何が起こるのか、どうなるのかわからなさすぎて。
そして、事前イベントへ足を運ぶ。作品や稽古のことを語るキャストさんたちはみんな楽しそうで熱意に溢れていて、その姿を見て、ビビっていた心も晴れていき公演が楽しみになってきてチケットを増やした。

そして迎えた公演当日。初めて観たスト学はとにかく「衝撃」だった。
私語OK、立ち上がってもOK、声を出して応援してもOK、飲食OK、キャストにチップを渡せる、リボン(紙テープ)を投げ込める。とにかく私が体験したことのない舞台だった。
何より、その作品そのものも衝撃だった。まるでジェットコースターのように膨大な情報量とあらゆる感情が自分の中を駆け巡る。上演時間は2時間だけど、体感は10分くらい。正直1回目の時は何が何だかわからないまま物語が猛ダッシュしていた。そして気付いたら私は泣いてた。こんな感覚、初めてだった。事前イベントの時にキャストさんが「他じゃ味わえない作品」と言っていた。本当にその通りだった。

2回目を見て、ようやくこの舞台が「すごい」ことを感じる。こんな感情になった舞台は今までにない。そして回数を重ねていくうちに私の流す涙の量は増えていった。
シルバ○アファミリーのサービス泥棒をしない話から始まり*1ストリップを目指す少女たちの物語が始まる。学園長と教官と小屋主の織りなすコントはいつ見ても笑うし、小屋主と教官が抱く学園長への想いはオタクならば思い当たる節があるだろう。
喋った後間を開けないと怪我をしてしまいそうなイチゴちゃんにも感情移入してしまうオタクだって多かったはずだ。*2
シルクの総レースパンツを脱いでは配るお嬢様姫華の*3、大人への扉を開いたシーンは艶やか且つ可憐だった。
ヴィトンの本物と偽物を絶対見逃さないけど小卒だから空港職員としては働けない朋美の、ストリップという夢に賭ける情熱も、涙なくしては見られない。*4
おしゃべり上手だけどジャンプしすぎてたまにおさげのウィッグが取れてしまう葉子の*5両親がタイの料理名をひたすら歌うあのシーンは何度も泣いた*6
そして、伝説のストリッパー・ウズメの若かりし頃のストリップはあまりにも圧巻だ。「あなたと私の間に生まれる 儚い世界」。ショーで歌う彼女の言葉は切なくも力強く、その美しさに涙を流してしまう。
なんと言ってもこの舞台の目玉であろう「おチップタイム」は汗だくで褌姿の男の人達に観客が次々とチップを渡していく。頑なに推しにしか渡さない人もいれば、全員にばら撒く人もいて、チップで折り紙したり花輪を作ったり試行錯誤を凝らしたのもいい思い出だ*7
そして恋人を自販機に殺されたラン*8。それまで天真爛漫だった彼女が恋人の死をきっかけに踊るストリップショーは悲しくも色気があり、彼女を想って一緒に舞う他4人の少女たちの友愛の精神は何よりも美しかった。
そして、最後、全員で思いの丈を叫びながら踊るシーン。裸に浮かぶキラキラと光る汗。全員が汗だくになりながら、楽しそうな満面の笑みで踊る。その姿に、「この時が一生続けばいいのに」と涙した*9

最初、下ネタが得意ではないとビビっていた自分はどこへ行ったのか、自分でも笑ってしまうほどにこの作品を思う存分楽しんだ。

前の記事でも、「9さんは考え方が柔らかい」と読者さんから仰って頂いた。このブログを昔から読んでくださってる方はわかるかもしれないが、この作品を見る前の私は非常に頭が堅かったと思う。
この作品に出会って、「こうあるべき」「こうでなくてはならない」という考え方がだいぶ解れたと思う。だって、そういう作品だったから。舞台はこうでなくては!というのがなくて、「もっと自由でいいんだ」と思える作品だった。それが楽しかったし、感動したし、心に響いた。
そして、今まで舞台を見るなら1人でいい、自分さえ観られればいい、と思っていた私が「もっと沢山の人に観てほしい!」「友達にこそ観てもらいたい!」「友達と一緒に観たい!」と思えた。私の奇怪なツイートやダイマブログに興味を示して見に来てくれる友達が沢山いた。本当にそれが嬉しかったし、初めての経験だった。
今回のスト海も、興味を持ってくれる友達、読者さんが沢山いた。私の言葉で興味を持ってくれて本当にありがたいことだと思う。

そんな私の転機となった作品の続編。今回もハダカ座節が炸裂しているという話は事前イベントで聞いていた。今回もまた、キャストさんたちが楽しそうに作品のことを話していて、それでいて熱意が溢れていて。今回も絶対に楽しい!と思っていた。
その中での中止の発表。悲しくて悲しくてしょうがない。脚本演出の澤田さんが、リプをくれるお客さん一人一人に「ごめんなさい」と謝っている様子は心が痛くて仕方なかった。
座組のみなさんたちは私なんかよりももっともっと悲しいはずだ。今まで作り上げてきて、通し稽古も終わっていた。ほぼ出来上がりかけていた作品。それが世に出ることはなくなってしまった。どんなに悔しくて悲しいことか。中止と聞いた時、役者さんたちは泣き崩れたそうだ。それを聞いて私も涙が止まらなかった。
多分この作品だけじゃなくて、中止になった作品の座組はみんな同じ想いだろう。悔しくて悲しくて堪らないだろう。私も観たかったけど、本人たちはもっと「やりたかった」だろう。
でも、座組のみなさんはみんな前を向いていた。次があることを祈って、今はとにかく健康に安全にいることが第一だと。「次」のために。制作側やキャストさんたちがそう言っているのならば、私もいつまでも悲しい悲しいと泣いてはいられない。「次」のために今自分ができることをしなくては。
とにかく今は、「次」があることを願って、手洗いうがいをして、よく食べよく寝て、健康に過ごすことが一番なんだろう。
そして、私は「次」の作品を待ち続けたい。そのためにも、私はブログで発信したいと思った。今回のスト海は中止になってしまったけど、前作のスト学はとても素晴らしいものだったと、改めて伝えたいと思った。
tv.rakuten.co.jp
こんな素敵な舞台がなんと880円ぽっちで見れる!破格!
私のブログで少しでも興味を持ってくれた方、是非配信を見てみてください。絶対に損することはありません。あなたの中の何かが変わるはずです。

私はずっと続編を待っています。こんな素晴らしい作品を作ってくださってありがとうございます。そんな思いが1人でも多くの方に、そして制作さんにも届きますように。

今の私の思いの丈を吐き出させて頂きました。
悲しいけど、悲しくて悲しくてやりきれない想いは女を更に女にさせていくってこの作品で学んだから*10私もきっと次の作品を観る頃には女っぷりが上がっていることでしょう。

励ましのマシュマロやお題箱をくれたみなさん、本当にありがとうございました。私は明日も元気に楽しく生きていきます。


ここまでお読み下さりありがとうございました!

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