おたくのひとりごと

舞台俳優、ワンピが好きなバンギャのゆるいブログです。

本多劇場「DISTANCE-TOUR-」

どちゃどちゃに暑い日が続きますね。みなさんいかがお過ごしでしょうか?お仕事の人もお休みの人もコロナだけでなく熱中症にお気をつけくださいね。

さて、それでは今回は久々の現場の話を書きます。

これに行ってきました。
配信もあるので正直、配信でもいいのかな…というか私のような地方民は配信の方がいいのかな…と思いながらも気がついたら劇場チケットと新幹線を取っていました。正直、行くまで怖かったです。
いざ東京に着いてみたらめちゃくちゃ暑いだけでわりと普通な感じがしました。新幹線の乗車率はたしかに低いなと思ったけど。
チケットはイープラスのスマチケでした。その注意書きに「開演時間前ギリギリになったら指定の席ではなく入り口付近に座らせるかも」という文言があったので早めに到着しました。
ソーシャルディイスタンスを保って並び、検温、消毒マット、手指の消毒を行って劇場に入りました。会場は1つずつ席を空けてあり、隣の人との間には黒いシールドみたいなものが設置されていました。
スタッフの方々はマスクの上にさらにマスクガード(透明なプラスチックのようなもの)をつけていました。

対策環境はそんな感じでした。

そして本編。
本編が始まる前に清掃員に扮した二人が世間話をするところから始まりました。
「今世の中、色んなものの距離が遠のいている。劇場までの距離。劇場へ行こうと思う距離。全部が遠のいている。」
「それをみんな縮めたがっているよね。」
「それぞれがそれぞれに縮めようとするから混乱が起きる。」
「じゃあどうすればいいんだろう。」
「協力し合うことが大切。今もここが劇場だと思おう。そして暗くなると思おう。」

そうして暗転し、本編が始まりました。この入りからの「リリアン」はすごく効果的というか、今の御時世だからこそ余計に刺さるような演出だなと思いました。

リリアンは頭がいいが、感情を知らない。シロは病気ゆえに外の世界を知らない。リリアンはシロに外の世界のことを教えた。シロはとても喜んだ。リリアンはその喜んだ顔が見たくてもっと沢山のことを教える。「世界中の人たちはみんな仲良しなの?」というシロの問いに、リリアンは「そうだよ」と嘘をついた。自分には友達がいないのに。
それをモヤモヤと考えていたときに心の中のもうひとりのリリアンが「どうして嘘をついたの?」と問う。「シロは知らなくてもいいことだと思ったからだ」とリリアンは答える。それが優しさなんだ、ともうひとりのリリアンは言う。あれは大人になったリリアンが問いかけていたのだろうか。
リリアンはシロが喜ぶと嬉しくて笑うようになったし、シロが病気で苦しんでいると悲しくて涙が出るようになった。
真っ白だったシロの世界にリリアンは色鮮やかな世界を描いた。真っ白だったリリアンの心に、シロは色鮮やかな感情を描いた。
シロがとうとう命尽きてしまうとき、リリアンは悲しくて悲しくて大泣きした。今までのリリアンだったら出来なかったことだ。空っぽだった心に沢山の感情が溢れて涙になっていた。
物語の終盤で「空っぽの心に何を描こう」という問いかけがあった。
まさに、演劇は心に沢山のものを描いてくれるものだと思った。だってその時には私はもうマスクがびしょびしょになるのではというくらいに泣いていた。演劇には「楽しい」も「嬉しい」も、「悲しい」も「苦しい」も詰まっていると思う。私はこの公演を見れて「嬉しかった」し、お話はとても「悲しかった」。おそらくみんな泣いてたであろうあの会場の空気感。そして役者さんの演じる温度感。それを感じられてこそだな、と私は思った。配信でももちろん役者さんのお芝居は素晴らしいし、同じ物語だけど、やっぱり会場だからこそ感じられるものは沢山あった。白い目で見られるかもしれないけど、私はこれからも可能な限り劇場に行きたいと思えた作品だった。

ディスタンスを縮めるには「思い合う」ことが大切だという終わり方だった。
やる側と観る側が思い合うことが大切、ということなのかなと思った。でもたしかにそれはそうだ。そうじゃないと始まらない。
私は早く通常に劇場に行ける日常を思い続けたいと思う。そして運営側にも作品を上演すると思い続けててほしいと思う。
私も劇場に向かうには難しいことが沢山あるけど、少しでもいいから、劇場の空気感、役者さんたちの温度感を肌で感じたいから劇場に行きたいと思う。
かと言って配信で我慢する人たちをどうこう言うつもりはない。それはそれで正しい選択だと思う。私も多分、劇場にどうしても行けなかったら配信に頼るほかないし。
みんなそれぞれの選択をしていくと思うから、それがその人の最善の選択であることを願うばかりです。

ヒプステのように全公演配信して私のようなライトな原作オタクも気軽に観られるというのも利点の一つだと思うし、いいことだと思う。
劇場に行くにもリスクは大いにあるし、本当に、人それぞれの判断でしかないと思う。
ただ私は今回行ってよかったと心から思ってます。次の公演も劇場に行こうと思いました。

現場がないオタクもいるだろうし、無観客配信に切り替わっていく現場も沢山あると思います。でも、そこで自分なりの最大限の楽しみ方をできればいいなと願っています。

今回は以上です。
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